【2011.3.31.時点での考察 by 栗原優】


『原子力80%の国、仏週刊誌ル・モンド・マガジンは表紙に「原発お断り!」と掲げて脱原発特集。「2040~50年までに原子力は消え失せ、全く新しい再生可能なエネルギーに取って代わられる」と表明する対談など。フクシマ発、原発離れの連鎖反応。http://bit.ly/faa9yo』

やった・・・!ついにあのフランスがはっきり掲げた。嬉しい。

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3/27の田中優さんの講演会の後、とにかくこの話を沢山の人に聴いてもらいたい。そう思いました。
僕がその日の夜に書いたレポートは、聴いたことをとにかく忘れないように、メモしたことを出来る限り全部詰め込んだものだったため、 とてもわかりにくくなってごめんなさい。
改めて、僕なりにおおまかに要点をまとめると、こんな感じです。

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<原発を止めて、他の発電だけにしても電力は足りる>
・原発は、常に100%稼動させていないといけないタイプの発電。
そのために他の発電をストップさせていたが、原発を止め、それらを稼動させれば、それだけで電力はまかなえる。
・また、電気消費量のピークの時間帯の消費に合わせて今まで発電してきたが、このピーク時の消費を抑える方が楽である。
これには、ピーク時の電気料金を上げて消費を減らしたり、直接的にピーク時の配電自体を減らすことで対応可能。
・産業事業者の電気料金体系は、家庭の料金体系と反対で、使えば使うほど安くなる。これを家庭の料金体系と同じくすれば、消費が減るはずである。
・国は自然エネルギーを助成し、ピーク時に徴収したカネは、その従業員に還元する形をとっていけばよい。

<原発・放射線の危険性の立証>
・空気中・もしくは食べ物から体内に放射性物質を吸い込んでしまう「内部被曝」をすると、「確率的影響」により、1年間1mSVで、10万人に1~37人が確実にガンになる。でるのは10年後、など。もし発ガンしても、原発のせいで発ガンしたとは、絶対に立証ができない。
・普通に稼動している原発から自然に出ている放射線によってでさえ、周囲の子供の発ガン率が高まる。(ドイツ政府資料)
・大気圏核実験が起こっている年の自然死産率は高い。

<放射線に対する対策>
・マスクをする。
・風向き・雨に気をつける。
・特に子供、胎児、これから親になる人(男女ともに)は注意。

<汚染されてしまった土壌に対する対策>
・事故から3週間以降は、汚染された土壌で採れた農作物は、洗っても放射性物質はとれない。
菜の花、ひまわりなど、土壌の放射性物質を吸収してくれる花を植え、そこから油・ガスを採り、そのカスを低レベル放射性廃棄物として保管することで土壌をまた綺麗にできる。
その上でまた農作物を作るのが最善。

<原発を止めるべき理由>
・日本は地震大国である。アメリカの10倍以上起こっている。(国土の大きさがこんなに違うのに。)→そもそも日本に原発は向いていない。
・もし西の端の原発達が事故を起こしたら、偏西風により、日本を縦断するように放射能が汚染していくだろう。
・六ヶ所の下にも活断層が発見されている。非常に高濃度の放射性物質がある六ヶ所が爆発を起こしたら、北半球に人は住めなくなる。

<何故原発を使ってきたのか>
・電気料金の仕組み「総括原価方式」:大量の電力を必要ということにすることでその3.5%の報酬が入る。そのために、架空ニーズと無駄な施設を作ってきたため。
・メディアの大手スポンサーが電力会社であるため、情報鎖国となっていた。原発が有用、という情報を蔓延化させ、「2009、ヨーロッパの新設発電所の60%が自然エネルギーになっている。」というような情報を周知させてこなかった。

<原発の利点→と言われてきたことの間違い>
・電力の中で一番安い→嘘である。もんじゅや管理費用を除いて、原発単体だけでも水力より高い。(しかもこの水力には原発を稼動させるための電力も含まれている)
今や、太陽光発電の方がコストが安くなった。
・自然エネルギーでは電力がまかなえないと言われてきたが、間違いである。
・東京電力が東京大学に委託して、関東地方沿岸50km以内に風車を建てたとしたら、どれだけ発電するかを調べたら「2005年の東京電力の年間電力販売量とほぼ同じ電力を作れる」というものだった(※注:「犬吠崎の沖合に風車を建てたとしたら」と記載しておりましたが、正確には「関東地方沿岸50km以内に風車を建てたとしたら」というものであったため、ここに関する内容を訂正させていただきました。)
(東電の電力は日本の33%の電力をまかなっている)
→これを東電は「発表しないでほしい」と言ったという。つまり利益のために、できることをしてこなかっただけ。

<自然エネルギーでまかなっていく方法>
・「大規模洋上風力発電」(日本は、国土は狭いが、海も含めると12倍ある。海を使うべき。)
・アイスランドで7割まかなっている「地熱発電」は日本製のシステムである。
・「小規模水力発電」日本の地形に合っている。
→電力会社が独占している送電線を国のものとし、誰もが、小さな発電所から自然エネルギーを送電でき、誰もが配電を受けられるシステムにすればよい。

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まとめといっても長くなってしまいましたが、要点が伝わっていたら幸いです。

これを受けて、ここからは、僕が思うことを追記します。

よく、CO2削減のためには原発は不可欠だ、と言われます。
「原発反対イコール、また火力に頼ることになる」と考えられてきたからだと思います。
しかしこれは、自然エネルギーで電力をまかなえることを知らされなかったことが原因だと考えます。

また、「原発を止めたら江戸時代に逆戻りしなければならない。そんな電気消費量では現代の生活ができるわけがない。」 とも言われます。
しかし、ピーク時に合わせた発電を、100%稼動していなければならない原発でまかなっていた今までの流れを止め、"ピークを抑え、100%稼動でなくてもOKな発電に代えていく"ことができるということを知れば、その極論は成り立ちません。
節電は、3.11.以前よりもしていくべきだと思いますし、今、ネオンが激減した夜の都会をみると、ちゃんと「夜」が存在しているのを嬉しく感じます。過剰なライトアップはもう要らない。このままでもいいと思います。
そして、産業事業者の電気料金体系が変われば、きっと瞬く間に、本来もっているはずの更なる省エネ技術が開花するはず。
効率よく電気を使えば、時代を遡るほどの生活異変は起こさなくともやっていけるのではないでしょうか。

「国が然エネルギーを助成し、ピーク時に徴収したカネは、その従業員に還元する形」
これが実現すれば、今、原発で働いている人達の新たな就職先もあてがわれる。

もし、「机上の空論」と言われるならば、試してみればよいことだと僕は思います。
今まで、「クリーンな発電」として、これだけ人体に害を及ぼす危険性のある原発を稼動させてきた。
多くの事故、放射能漏洩、そして今回の未曾有の事故でこれほどまでに大きな犠牲を払った。そして今も被害は拡大していっている。
それに比べれば、一旦、「本当にクリーンな発電」のみ稼動させてみる実験をしてみてもいいと思います。
もし失敗しても、「このような、人体に被害を及ぼす結果には成り得ない」からです。
試していけばいいと思います。それだけの技術は、日本は確実に持っていると僕は思います。

人間は不完全だと思います。
今回の震災・原発事故による被害状況の中で、ネット上・リアル共に、溢れかえる発言を見て・聞いていても、不確実な情報を流布したり、思い込んだり、捻じ曲げたりされているのを沢山みました。
悪意がなくとも、これだけいい加減なことを行うのが人間なのだから、この「不完全」な人間が、「完璧に管理しなければ危険」な原発を動かすこと、これに僕は反対です。
この考えは、20年前から一貫して同じです。

3/31現時点、まだ福島第一原発からの放射性物質放出の状態が抑えられるどころか困惑を極めているところですが、やっと日本政府から「今回のことを教訓に、太陽、バイオなどクリーンエネルギーを世界の先頭に立って開発し、新たな日本の大きな柱にしていく」との発言が出ましたし、一番最初にも紹介したように、原発に頼っていたフランスからも「2040~50年までに原子力は消え失せ、全く新しい再生可能なエネルギーに取って代わられる」と表明する対談がされているとのこと。
まだまだ推進派もいるとは思いますが、脱原発の可能性が実際にあること・このまま原発に頼っていくことで起こりうるリスク・原発で働く人たちの現実、これらが多くの人に知られ、目にさらされてきているのが実感できます。
確実に、変えていきたい。僕はそう思います。

では、今日はここまで。また色々記してゆきます。

2011.3.31. 栗原優

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